アカセニッキ(明瀬祐介日記)

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所感

二度と会わない人がいるということ。

投稿日:2018年9月1日 更新日:

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■人生には、二度と会えない人、会わない人というのがいる。

死んだ人ではない。また、別れた恋人でもない。
また、仲たがいした人もいるが、必ずしも仲が悪くなった人だけではない。

同じ場所にいて、毎日のように会っていたのに、今は連絡先も知らない人。

私の場合、とくに大学時代の知人がそういうカテゴリに入っている。
(共通の知り合いがいなかったりするからだろう)

同じバイトの同僚であったり、同じサークルの先輩後輩であったり、同じ研究室の人であったり。
連絡先を交換しなかったり、しても分からなくなった人。

顔は覚えているのに、名前すら忘れている場合もある。

■先だって、さくらももこが死去した。
さくらももこといえばやはり小学校時代を描いた「ちびまる子ちゃん」だけれども、
「ちびまる子ちゃん」の単行本の後半には、
中学生や高校生になったももこを主人公とする、
「ほのぼの劇場」という漫画が掲載されており、私はそれが好きだった。

特に印象に残っているのは5巻の「いつか遠いところで」。
(手元にないので、細かいところの記憶があいまいなのだが)

大人になったももこは小学生の家庭教師をし、半年もたつとその子とずいぶん仲良くなる。
しかし、やがて、その子の家庭教師を辞める日が近づいてくる。

ふと、ももこは、教え子から言われる。
「先生が親戚のお姉ちゃんだったらいいのになあ」

「先生だって親戚のお姉ちゃんと一緒だよ」
と返すももこに、子供は言うのだ。

「先生は親戚のお姉ちゃんとは違う。
先生は親戚のお姉さんじゃないからもう会えない。
いつか忘れちゃうんでしょ」

さくらももこの絵は本当にかわいい(特に目)。

■私がこれを読んだのは、平成二年頃の最初のブームからも、
「ちびまる子ちゃん」の対象年齢からもずいぶん遅く、高校生のときだ。

それまで、私は、小学校の友人も、中学高校の友人も、大人になっても「ずっと友達」だと思っていた。
今は離れていても「いつか会える」と―。

今なお、私は、小学校の友人も、中学高校の友人も、大学の友人も、昔の職場の同僚も、かつて近所に住んでいた人も、
「いつか会うのではないか」とどこかで思っているところがある。
実際はほとんど「もう会えない」のにー。

この漫画は、それまで「永遠の仲良し」を甘く信じていた私に、
「もう会えない」という現実を、少し教えてくれたような気がする。

そして、歳を重ね、この漫画を思い出すたびに、共感が強くなる。
「確かにそうなんだよなあ」と― 。

■この漫画には、ラストにももこのナレーションが入っている。
確かに、その後、ももこと教え子が会うことはなかったのだろう。

しかし、ももこは、ナレーションとして、あの日の教え子に、漫画の中で叫ぶのだ。
「ずっと忘れていないよ」と―。

私もそうだ。きっと、みんなそうなのだろう。
確かにもう会えない。たぶん会えないだろう。
しかし、忘れたわけじゃない。

ここで見ている人はいないと思うけれど、
一応書いておきたい。

忘れてはいない、と―。

その人に向けて、私は書いているのだ。

-所感

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