■いかにも嘘くさいタイトルである。
「ごく普通の小中高生が、ほんの3ヶ月で”数学の天才”になる方法」。
そんなことできるわけねえじゃねえか。
しかし、あなたが小中高生であれば、3ヶ月この方法をするだけで、
あなたは確実に「数学の天才」になる。
また、この文章を最後まで読んだ人ならば
分かってくださると思う。
「そりゃそうだよな、この方法なら確かに数学の天才になるわ」と。
■やり方は簡単。
「ただただひたすら、授業のはるか先の勉強」
をしていくというだけ。
つまり、
小学生のうちに連立方程式や二次関数を勉強し、
中学生のうちに三角関数や複素数を勉強し、
高校生のうちに偏微分方程式やフーリエ変換を勉強していく、
というだけである。
そんなの無理やろ、とお思いのあなた。それができるんであるよ。
■できないと思うのは、
あなたが算数・数学を今までまじめに勉強してきたからだ。
基本問題はもちろん、応用問題、難問奇問まで、
全部に対応できるように努力してきた。
それはそれで否定はしない。
後述のように、その努力が必要なときもある。
■しかし、今から示すやり方では、その努力をしない。
まず応用問題は解かない。基本問題すら「解く」ということをしない。
ただひたすら説明と基本問題を読み、答えを書き、先へ進む、というだけである。
(公文式は似たような手法だが、「最短」を目指すとそれでもまだ難しい)
まず、一番簡単な問題集を買ってくる。
私が本屋をざっと見たところだと、
中学数学では「とってもやさしい」シリーズが、
高校数学では「やさしくてわかりやすい」シリーズが、
大学数学では「単位が取れる○○ノート」シリーズ、
あるいは「スバラシク実力がつくと評判の」シリーズが、
それぞれ最適ではないかと思う。
https://www.amazon.co.jp/dp/4010215763/
https://www.amazon.co.jp/dp/4578243281/
https://www.amazon.co.jp/dp/4061544527/
https://www.amazon.co.jp/dp/4866150467/
大学数学は高校までと違って、習う順番が明白ではないが、
おおむねこのページの中段の図に従うとよい。
http://www.mathema.jp/%E3%82%B5%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%82%B9%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%89/
■やり方としては、この簡単な問題集の説明を読み、基本問題を見て、
解答をそのまま写していけばよい。
(これを俗に「写経」という)
(本当は見ながら写す「写経」の末、見なくても書ける、という状態になるとよいのだが)
完璧に理解できなくても、まあなんとなく理解したと思ったら先に進む。
おそらくそれであなたは、自分の学年の一年先の数学を「なんとなく理解」していくだろう。
読むだけならなお速いのだが、いくら速さ狙いとはいっても、
やはり書かないと数学を勉強した感じがしないのではないか。
(実際そうだし)
■このやり方ならば、「1年分の数学の課程」が、十時間程度で習得できる。
のんびりやっても1ヶ月くらいで1年分の数学の課程を終えるだろう。
やる気のある人なら夏休みだけで2、3年ぶんの課程が終わらせられるはずだ。
下手すると中学生のうちに大学2年くらいの科目を終わらせることだって夢ではない。
そして、数ヶ月間この方法で勉強していれば、あなたはあるとき、「数学の天才」になる。
実際はただ問題集の基本問題を理解しているだけだが、それでも例えば、
「中学〇年なのに微分積分が分かる」
「高校〇年でラプラス変換を理解」
となれば周りから見てちょっとした「早熟の天才」である。
自分でもなんだかそんな気になってしまうだろう。
ちょっとした進学校にいる生徒であれば、数学の教師に、
「授業のはるか先の数学の具体的問題」についての質問をしてみるとよい。
おそらくあなたの質問にうれしそうに答えてくれるはずだ。
(そこで万が一、
「今の数学の成績も大したことないくせに高度な数学の勉強してんじゃねえ」
とでも言われるようなら、その教師は生徒が自主的に遊びで勉強をする、
ということを否定する莫迦者だから、そんな教師は無視してよい)
おそらくほとんどの人が、これまでの人生で周囲から天才扱いされることはなかったと思う。
その後も普通に生きていればなかなか天才扱いされることはない。
しかし、あなたは数ヶ月勉強するだけで「数学の天才」になるのだ。
(もちろん本当の天才ではない)
■この勉強法だと、当面、今授業で習っている単元の試験はあまり伸びない。
しかし、ある時点からは通常の試験の成績も「少し」よくなるはずである。
これは普通に言う「予習」なのだから、授業の勉強のマイナスになるということはない。
また、数学の勉強というのはだいたい上位互換になっていて、
高校数学は中学数学を、大学数学は高校数学を、それぞれ前提として使っている。
だから、上位の数学を勉強すれば、少しずつ下位の数学の練習もすることになる。
仮にあなたが普通の成績の中学生なら、小学校算数の基本問題を難なく解けるだろう。
「昔はあれだけ苦労したのに」と思うかもしれない。
それは、あなたが「その後の問題」を解くことで知らず知らずのうちに「小学校算数の練習」を使い、練習してきたからだ。
(* ただし、中学の幾何だけは別で、これは大学数学、高校数学で使うことがほとんどない。
だから、独自の勉強が必要になる)
■一方で、この方法で応用問題が解けるようにはあまりならない。
上位の数学が分かることは、下位分野の応用問題を解く上で、
「少し」有利になることがあるのだが、その効果は少ししかない。
応用問題に関しては、あまり「互換性」がないのだ。
極端に言えば、大学数学を勉強したからといって、難関中学の入試問題がただちに解けるようになるわけではない。
だから、大事な試験のためには
応用問題の勉強もする必要がある。
上記の勉強法は、あくまで、試験のない夏休みのような期間に、
ある程度長期的な視野でやるのがよいと思う。
■なお、私は実際に中高生時代にこの方法を使ってみたわけではない。
また、数学が得意だったこともない。
しかし、別にまるっきり嘘をついているわけではなく、これが有効だと本気で思っていて、
自分が小中高生だったらぜひこの方法をやってみたいと思う。
ちょっとした勉強で周りから「数学の天才」扱いされるなんて、なんだかとっても楽しそうではないか。
というわけで、もしこれを読んでいる若者がいれば、
ぜひ試してみて、結果を教えてほしい。
また、もっといい方法があるぜ、という方もぜひ
教えていただければ幸いである。
(* それから、このように先取り学習しておくと、高校・大学の物理の理解も格段に速くなる、というメリットがある。
というよりも、微積を使えないうちに高校物理を勉強したり、
ベクトル解析を習う前に大学電磁気学を履修するのは、
そもそもあまり良い勉強の順番ではないと私は思う)
(ところで、数学の授業というものは、別に、
「小学生、中学生、高校生、大学と、だんだんに難しくなっていく」
というものではないような気がする。
極端に言えば、小学生だって知識さえあれば、大学数学の基本問題を解ける。
前に習った知識を使うようになっていくから「高度」にはなっていくけれど、
問題自体が何か「難しく(≒「複雑に」)なっていくものではないのではないか。)