アカセニッキ(明瀬祐介日記)

少しだけ役に立つ、または面白い内容を提供できれば。

所感

現代日本には大臣が多すぎる。普通の閣僚は”卿”を名乗れい。

投稿日:2018年10月9日 更新日:

■律令制下、大臣の定員は二名だった。
よく聞く、”左大臣”と”右大臣”という、あれである。
臨時職として”太政大臣”、”内大臣”、”准大臣”もあったが、多くても合計数名だ。
彼ら”大臣”は、(天皇以外には、)上に誰もいない、
政事の長、集団指導体制の一角だったのだ。

企業なら”役員”と言ったところだろうか。

■明治憲法下で、”大臣”は、現代と同じく、省のトップも兼ねることになった。
しかし、各大臣は”それぞれ別々に”、天皇を補佐する、という仕組みになっており、
各大臣は同格という扱いである。
内閣総理大臣はあくまで同格の中の首席という位置づけで、
各大臣の上司だったわけではない。
大臣の数も増えたが、10名前後だった。
やはりこの時代も、”大臣”は、(天皇以外には)上には誰もいない、
政事の長、集団指導体制の一角だったと言えよう。

企業で言うならさしずめ、”各部門の担当役員”あたりか。

■そして戦後憲法も明治憲法を引き継ぎ、”大臣”は省のトップである。
一方で、内閣総理大臣は明確に国務大臣の上司と定められている。

こうなると、もう、上には誰もいない、
政事の長、集団指導体制の一角、という感じではないし、
大臣の数も増えに増え20人近くになった。

企業で言うなら、
“役員待遇ではない部長”あたりではないだろうか。

現在では、”大臣”すら、
行政機構の中間管理職の一人なのだ。

■「末は博士か大臣か」
というのは明治初期の言葉だが、
当時の”大臣”というのは、昔でいう太政大臣、
今なら総理大臣一人のことであり、
だからこそ”大臣”は神童の目標たりえた。

この言葉は戦後まで残ったが、
今や完全に死後になっている。

そりゃそうだ。

今だって総理大臣になりたい子供はたまにいよう。
しかし、今も昔も、
「内閣府特命○☆#担当大臣」
になりたい子供なんていないんである。

(ついでにいうと、
戦後すぐまでの”博士”というのは
“学研まんがひみつシリーズ”に出てくるような
白髭白衣の偉い人だったのだと思われるし、
“大学教授”ともなれば”物凄く尊敬すべき大学者”というイメージだった。
が、博士ももはや高学歴貧困の代名詞のようになっており、
神童が目指すものではなくなっているし、
教授ですらだいぶ怪しい。
今では”末は医者かCEO”あたりを目指すはずだ)

■これ、私としては結構異和感がある。

やはり本来、”大臣”というのは、
「アラジン」で言うジェファー、
「カリオストロの城」で言うカリオストロ伯爵、
「ドラゴンクエストV」で言うグランバニアの大臣
のような、政治を一手に握る存在であるべきなのだ。
(例に挙げたのは悪い奴ばっかりだが…)

現在の大臣は彼らとは違う、
行政機構の中間管理職なのだが、
今なお、”大臣”という響きには魔力が残っている。

この勘違いが、日本政治の混乱の原因になっているのではあるまいか。

■さて、現在の”大臣”のうち、
律令基準で”大臣”と言えるのは
三権の長の一人・
内閣総理大臣だけであろう。

律令時代や明治初期にも”省”があり、
現在の大臣にあたる、”省のトップ”の肩書は、”卿”だった。
(大蔵卿とか)

ということで、ここに、
国務大臣は”卿”、
副大臣は”大輔”、
事務次官は”少輔”
とするデノミ政策を実行し、”大臣”のインフレ抑制を行うことを、
私は全国に提唱しておきたい。
(政務官は権大輔か)

-所感

執筆者:

関連記事

「平成ネット史(仮)」よりも広かったネットの世界。

■1月2日に日本放送協会で放映されていたTV番組 「平成ネット史(仮)」(「(仮)」が正式タイトル)の前篇を視たので、 その内容と感想を書く。 http://www6.nhk.or.jp/nhkpr/ …

「マルサの女2」と「土地の不可侵性」。

■映画「マルサの女2」を はじめて観た(DVD)ので、 以下にその内容の一部と感想を書く。 本作は昭和六十三年、 前作「マルサの女」の続篇として公開された。 監督は伊丹十三。 主演は「みやや」(「ナイ …

no image

関西の貧乏学生はフェリーで上海行っとけ。

■大学生活の六年目、 二〇一〇(平成二十二)年の夏、船でひとり、上海に行った。 神戸から出ている「新鑑真号」に乗り、三泊四日だったかで、帰りは大阪への「蘇州号」に乗ったのだ。(これだと往復割引がなくて …

「ひとりで野球の守備練習」できる施設がほしい。

■以前から思っていたのだが、大人のアマチュアのための、「野球(ソフトボール)のノックを打ってくれる商売」「ひとりで野球(ソフトボール)の守備練習ができる場所」というのは、結構需要があるのではないだろう …

「学問の急所」「共通言語」で起きる知のレバレッヂ効果。

■圧倒的なスピードで「教養」を身につけていく、シンプルな思考方法https://acsusk.com/culture/ 上記エントリーは、「教養の定義を変えてしまい、なんでも教養扱いしてしまうことで、 …