アカセニッキ(明瀬祐介日記)

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「カルテット」の「ジャンル不明」という愉しさ。

投稿日:2018年11月10日 更新日:

■TVドラマ「カルテット」のDVDを視たので、
その内容と感想を書く。
(以下は、既にいろんな人が言っていることだと思うけれど)

平成29年に東京放送系列で放映された。
脚本は坂元裕二。

 

■バイオリニストの巻(松たか子)、
別府(松田龍平)、ビオリストの家森(高橋一生)、
そしてチェリストのすずめ(満島ひかり)が、
あるときカラオケ屋で出逢い、
弦楽四重奏(カルテット)を結成することになる。
軽井沢の別府の別荘で半共同生活を始める四人。

実は、巻の夫は失踪中で、
すずめは巻の姑(もたいまさこ)から、
その真相を調べる依頼を受けて
巻と出会ったのだった-。

 

■このドラマの凄さは、
「いつまで経ってもどういうドラマなのか分からない」
というところだろう。

初回、主要4人の軽妙な会話に笑いながら歓ぶ。
「これは面白いコメディを見つけたぞ」

しかし、すぐに巻への疑いがクローズアップされ、
私は思い直す。
「ミステリなのかな?」

ドラマ内の謎について考えながら視ていると
カルテットの仲間内の恋愛風景が映る。
「いやいや、恋愛ドラマだ」

カルテットやその周りの人たちの
人生模様が描かれたところで一安心。
「ああ、これは夫婦や家族、親子、
あるいは夢破れる音楽家の人生を描いた、
一種の人情ドラマなんだ」

だが、最後近くでまた修正することになる。
「やっぱりミステリなんだ」
と-。

あえて一言でジャンルを表すなら
“奇譚”になるのだろう、
どこまで視ても、ジャンルが分からない。
ましてやどういう展開が来るのか予測がつかない。

いろんなジャンルに愉しいドラマがあるけれど、
最後までジャンルが分からない。

BGMはfox capture planの軽快な曲で、
エンディングはそして椎名林檎作詞作曲の
シックでミステリアスなテーマ曲だ。

それがかかって回が終わるごとに、
「何のドラマか考える」
という、珍しい愉しみが味わえる、珍しいドラマだった。

 

(■以下、細かい点。

・食べ物の場面がよく出てくる。
きっと、”家”の愉しさ、心地よさのようなものの象徴なのだろう

・ノーパンのくだり大好き。
なんかシュレディンガーの猫とか
「月は存在するのか問題」を想い出す、哲学的な問いだ

・作家の高橋源一郎そっくりの俳優が出てきて驚く。
作家の高橋源一郎なのだが

・その回、結局すずめと父親が会わないのは
TVドラマらしくなくてよい

・MVPは吉岡里帆。
本作の可愛さキヤラになるのかな、
と思わせつつ、中盤以降、驚異的な邪悪さを発揮する。
すずめ、巻の姑が会うスーパーマーケットの場面など
リアルに鳥肌が立ったものだ。
この、
「一見自然に見えるけど、言われてみると明らかに不自然な人」
を自然に演技する吉岡の演技技術はちょっとおかしいですよ。
まあやることと動機は意外と小物っぽかったのだが

・家森が第8回くらいでやっている
誰かの真似が誰の真似なのか分からん

・カルテットへの手紙を書いた人は
コンサートの場面の、帽子で顔を隠した人だったのだろうか。
あるいはそれ以前のどこかに登場していたのだろうか

・エンディングの曲は素敵だが、
PVっぽいエンディングム―ヴィはあんまりかっこよくない…
…気がする。
が、最終回ではまた別の趣向になっており、
こちらは愉しい

・巻の姑や家森の妻子は最終回登場せず。
なんで坂元裕二はいつも最終回で
高橋一生と子供を会わせてやらんのや…)

明瀬祐介
acsusk@gmail.com

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