アカセニッキ(明瀬祐介日記)

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落合博満が「決断=実行」で伝える、「見ないで分かるか」。

投稿日:2018年11月10日 更新日:

■何を隠そう、落合博満信者だ。

現役時代には間に合わなかったが、
書物やウェブでその実績やエピソードの類を読んでは心酔してきたし、
監督時代はドラゴンズの結果に一喜一憂した。
(試合も観に行こうと思って行けなかったのが心残りだ)
著書も、ほぼすべて読んでいる。
好きな数字は”6″だし、
草ソフトボールでは、もちろん神主打法で打席に立つ。

そんな落合信者の私が、落合の新著「決断=実行」を読んだので、
その内容の一部と感想を書く。

タイトルの”=”は”イコール”ではなく、2本の直線だとのこと。
(ダブルハイフンということか)

本作は「采配」や「コーチング」と重複する部分も多いのだが、
いろいろと新しい部分もあるので、印象的な部分を2箇所ほど-。

■平成16年に監督就任した際、荒木雅博に言った、
「アウトになってもいいから走れ」-。

走ってほしくないときだけ、「走るな」のサインを出す。
それ以外は全部走っていい。
アウトになっても何も言わない。
アウトになって一番悔しいのは本人なのだから、
監督が叱責せずとも、自分で考えるはずだ。

■選手はベンチにいるとき、元気に声を出すべきかどうか、
ということが話題にのぼる。
落合の結論は、「どちらでもいい」。
勝敗には直結しない、とのこと。

しかし、落合は言う。
「めったなことで離席するな」

ベンチで試合を観察し、仲間と相手をじっくり観て、
実戦での感覚を養う。その観察は必ず役に立つはずだ。

負けているティームでは選手が離席している。
負けているから雰囲気が悪くて選手が離席している一方で、
離席しているから負けている面もあるのだという。

■落合のビジネス書的な本はどれも深い含蓄があり、
日々の仕事や生活に”役に立つ”部分が多い。

落合の成功哲学を、無理やり単線化すると、
私見では、やはり「一に練習、二に練習」だが、
おそらく「三四がなくて五」には
“観察”か”工夫”が入るのだろう。

この「三四がなくて五」の部分はどの職業にも通じるが、
特に”観察”は忘れがちだ。
つい我々は言ってしまう。
「見なくても分かる」-。

落合は私たちに当たり前の事実を思い出させる。
「見なきゃ分からない」

落合本がビジネス書として有用でありつづける理由はそこにある。

■落合はドラゴンズ監督を平成23年に退任した後、
グラウンドに立っていない。
ドラゴンズGMとしては実績を残せず、平成28年に退いた。

そろそろユニフォームを着て、
ベンチでグラウンドの選手たちをじっと”観察し”、
次の采配を”工夫”する落合が観たいと思っているのだが、どうだろうか。

(ちなみに私自身はスポーツ全般に素人で、野球未経験だが、
ベンチで声を出してるティームの方がやっぱり強いんじゃないか、
と思っているのだが…、
まあ落合がそう言うんだからそうなんだろう…
というような思考停止がよくない)

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