アカセニッキ(明瀬祐介日記)

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美人税はなぜ導入されないか。

投稿日:2019年2月26日 更新日:

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■A「イケ面や美人は
生まれでほとんど決まるが、
イケ面や美人はそれだけで人生得している。
顔によって、金銭的にもだいぶ格差があるようだ。
だから、国が”イケ面税”・”美人税”を導入し、
不平等をなくすべきだ」

という主張が(たまに、)ある。

私は不細工だからこの案に大いに同意するのだが、
多くの国ではこういった、
「個人の特性を判定して、それを平等化するために課税する」
といった政策を(あまり)取らない。

これは、そもそもイケ面・美人の判定が難しいし、
何となく国がイケ面判定・美人判定するのもいやらしいし、
弊害もあるから…
という理由で一笑に付されているのだが、
それらは「導入できない」理由だ。
それ以前に
「導入する必要がない」
理由として、以下のようになるのだと思う。

 

■B「そんなことを言い出すと、
“コミュ力”や”知力””体力”なんかも、
本人の努力もさることながら
本人の努力だけではどうにもならない部分がある。
それらもやはり人生に大きな影響を与えているから、
“コミュ力税””知力税””体力税”も創設しなければならない。

そもそも”努力する才能”も、
やはり生まれで決まる。

何より”運”はどうにもならないから、
“運税”こそ必要になるではないか。

資本主義社会では、能力や運は”収入額”に確かに反映される。
というよりも、”収入額”によって、
その人に”能力”や”運”があったのかなかったのか、

事後的に判定される

しかし、イケ面が得だというのであれば、
その分金をより多く稼いでいるはずだから、
収入額に反映されているはずだ。

逆に金を多く稼いでいないイケ面は、イケ面であっても
他の能力(例えばコミュ力)が弱い、運が悪かったなど、
他の分のハンディキャップを背負っていたことになる。

であれば、収入額の方を補足して、そこに税金をかければ、
結果的にイケ面やコミュ名人に多く税金をかけ、
ブサイクやコミュ苦手から免税しているのと同じである。

わざわざ数々の能力が収入などに与える影響を算出して基準を作り、
それで個々人の数々の能力を算定するのではなく、
様々な能力によって決まった”収入額”を基準にすれば、
同じ効果が得られて、しかもはるかに効率的だし、
“原因”ではなく”結果”の側を計量しているわけだから、
より精確な判定が得られている。

つまり、現在の日本でもイケ面税は導入されている、
ともいえるのだ」

 

■さて、上記の「美人税推進論者」(A)も「否定論者」(B)も、
実は、ある同じ前提を共有している。

それは、
「能力はお金に直結する
(お金のプラスになる性質が能力だ)」
そして、
「お金が幸せに直結する」
ということだ。

美人税推進論者(a)は、
「美人はいろんな面で得だから、幸せだ。
であればお金を取れば、幸せが軽減させられるから平等になる」
としているわけだし、
美人税否定論者(b)も、

「年収一〇〇〇万円の人は幸せ度一〇〇〇だから、
三〇〇万円の税金を取ろう。
そうすれば幸せ度が七〇〇になる。」

「年収三〇〇万円の人は幸せ度三〇〇だから、
五〇万円の税金で、幸せ度二五〇ということで許してやろう」

というようなことを考えているわけだ。
(実際の徴税額とは異なる)

もちろんそう意識して考えてはいないが、しかし、
お金こそ幸せ度だ。
お金を取られると幸せ度は軽減される。
お金を与えられると幸せ度が上昇する
ということを、この社会は、
無意識の前提としているわけである。

 

■だが、おそらく多くの人は実は、
「能力はお金に直結する
(お金のプラスになる性質が能力だ)」
「お金が幸せに直結する」
というこの二つの前提、特に後者を信じていない。

「お金を稼ぐ力こそ能力なんだ!」
と主張する人は結構いる。
私もそう強く言われると反論できないかもしれない。

だが、
「お金を稼げば稼ぐほど、例外なく幸せなんだ!!」
と本気で思っている人は、
おそらくこの世に一人もいない。

 

■さて、ここに気づいた瞬間、
我々はだいぶ得している。

実際のところ、幸せに税金はかけられないからだ。

上の例でいうと、
世のなかには年収一〇〇〇万円で幸せ度が一〇〇しかない人もいる。
租税当局は、そんな人でも能力一〇〇〇で幸せ度一〇〇〇だと思っているから、
三〇〇万円の税金を取り、三〇〇の幸せ度を取ろうとしている。
こうなると幸せ度マイナス二〇〇になってしまい、
ほぼ絶望ともいえる幸せ度である。

一方で、年収三〇〇万円で幸せ度一〇〇〇の人にも、
租税当局は
「こいつは能力が三〇〇くらいだったから幸せ度三〇〇か。
五十万、幸せ度マイナス五〇で勘弁してやろう」
としてくれている。
幸せ度九五〇だから、ほとんど幸せ度が取られていないに等しい。
いや、そもそも五〇万円の税金を幸せ度マイナス五〇だと考えず、
心の中でなかったことにしてしまえば、
プラマイゼロ、いつまでも一〇〇〇のままだ。

大変な節税、いや脱税じゃないか、これは

…以上の考えは
「すべては自分の心次第」
と考える仏教に近いかもしれない。

そもそも損得を考えている時点で、
ぜんぜん仏教的じゃないけど。

平成三一年二月二六日
明瀬祐介
acsusk@gmail.com

 

(補足)

■以上の議論から私が、
「心の幸せ度の方が大事だから、
お金がない人への対策とかいらないよな」とか、
「貧乏人も幸せだから、

彼らは幸せ度に比して税金を払っていない、ずるい!」
とか、考えていないことには注意されたい。

また、
「物や金よりも心のほうが大事。
だから、日本に経済成長などいらない」
などとも考えてはいない

個人の幸せ度は、やはりお金と強い相関があるし、
国全体の幸せ度も、やはり国全体の経済力と相関がある。
だから、社会全体としてお金を増やす、
あるいはお金がなくて貧困にあえぐ
個人にお金を補助する、
といったことはやはり必要であろう。

私は、個人としては、別にお金がなくても幸せならええやん、
みたいなことが言いたかったのである。

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