アカセニッキ(明瀬祐介日記)

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所感

沼にハマってみたかった。

投稿日:2019年6月24日 更新日:


■幼少の頃から、
クラスで一二を争う運動音痴だった。

脚も遅かったし、力もなかったが、
特に球技が大の苦手で、
例えば野球の守備なんぞ、
フライが飛べば後ろにそらし、
ゴロが来れば股をくぐらす。

サッカーやバスケットボールの時も、
ティームの足を引っ張るばっかりだった。

■一か月ほどまえ、ふとしたことから、
ビーチボールが手に入った。

ためしにリフティングの
まねごとをしてみる。

やはり、その日は、
何度やっても五回とか、七回とか、
その辺で落としてしまい、
一〇回に達することはなかったと思う。

「沼にハマってきいてみた」
というTV番組がある。
いろんなオタク・マニアックの道(「沼」)
に熱中する若者を連れてきて、
「サバンナ」の高橋茂雄が話を聞く、
というコンセプトで、
興味のあるテーム(theme)のときはよく視ている。
https://www.nhk.or.jp/hamatta/

けん玉の超絶技巧を演じる高校生もいれば、
縄跳びの世界選手権王者もいる。
精巧なヂオラマを作るクラブもあれば、
凧や紙飛行機に青春を賭ける若者もいる。
実に多種多様の「沼」があり、
その技や情熱に驚かされる。

■昭和六〇年度生まれの私が中高生だった、
平成一〇年代前半期、
「オタク」は、ほぼ蔑視語だった。
例えばインターネットやTV漫画が好きな人も
もちろんいたとは思うが、
数も少なかったし、
フアンも、学校では隠していたのだと思う。

もちろん何か特異な一藝、
例えばスケボーとか、ラップとか、
を磨く人もいなかったわけではない。
が、少なかった。
彼らも、仲間と言えば
地元の同好の士くらいだっただろうし
たまに学校で技を見せてくれるくらいだったから、
楽しい一方で、上達は難しかっただろうし、
やっぱり少しの孤独感はあったと思う。

そんな雰囲気の、
私がいた私立の中高一貫校ですら、
公立から編入してきた生徒からすれば
多様な個性が認められる学校だった、
と言う。

日本全国そんな感じだったのだろう。

■(今の中高生が実のところ
どうな感じなのかは分からないが)
そんな空気を一変させたのは、
やはり「Twitter」や「YouTube」、
それに「ニコニコ動画」だろう。

「Twitter」を探せば同好の士が見つかる。
「ニコニコ」を視れば彼らのすごい技が簡単に見られ、
それを真似することもできる。
さらに「YT」にアップロードし、
人に見せることもできる。
うまく行けば人気者になれるし、
ひょっとするとお金も稼げるかもしれない。

モティヴェイターも
インセンティヴも充分だ。

■私は中高生の時に
何かに藝事を、ある程度真剣にやっていた、
というわけではない。

そんな私がひがむのはおかしいのだが、
しかし、やはり少しうらやましい気持ちはある。

「もし、今のような道具と、
そして社会の空気があれば、
私も何かやったかもしれないなあ」
と-。

が、そんなことを言っても、
妬みしかなるまい。

若さは成長を加速させる強い武器だが、
加齢もまた、怠惰の言い訳にはならないのだ。

■一か月ほど、毎日少しづつ練習していくと、
私ですらリフティングが上達する。

重りでも入ってるんじゃないかと思うほど
速く落下していたビーチボールが、
足で跳ねる回数が多くなった。

高く弾み過ぎたボールを
胸でトラップして足に返すこともあれば、
ちょっと逸れてしまって
インサイドキックで修正することもある。
斜め後ろに来たボールを、
膝を曲げてアウトサイドで蹴って前側に戻す、
というのに成功することすら、皆無ではない。
(そしてそのあとに失敗する)

それでも五十回がやっとだし、
「沼」にはまっているとも言えないのだが、
しかし、全国名人や世界王者にはなれずとも、
続けられる限り、
今よりも下手になることはないはずだ。

私も老骨に鞭打ち、令和元年、とりあえず
(ビーチボールで)
リフティング連続一〇〇回」
に挑戦してみる所存である。

令和元年六月二十四日
明瀬祐介(あかせゆうすけ)
acsusk@gmail.com

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