アカセニッキ(明瀬祐介日記)

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所感

新自由主義者として「二年縛り」規制に反対する。

投稿日:2019年6月28日 更新日:

■携帯電話業界の「二年縛り」は、
極めて評判が悪い仕組みである。

そもそも、市場で、
「買い手」からこんなに悪口だらけのものを
「売り手」が提供しつづける、
と言うこと自体が奇妙だ
携帯電話業界の
大手三社間の競争は熾烈であり、
まあ自由市場といえよう。

■もちろんこの世の中には
「市場の失敗」
だってある。

しかし通常、
「市場の失敗」というのは、
公害の発生や、交通事故といった、
「売り手」と「買い手」以外の要素に
迷惑がかかる場合が多い。
圧倒的多数の「買い手」から
非難轟轟という事態は、
ちょっと考えにくいのだ。

■理屈から言えば、
こういう業者が出てきてもよいはずだ。

「うちは”二年縛り”やらないことで
評判を良くして儲けようぜ!」

「”いつでも乗り換えられる”ことにすることで、
逆に乗り換えられない会社にしよう!」

おそらく実際の携帯電話キヤリアでも
何度も何度もこの議論はなされたはずだ。
しかしそうはならなかった、
「二年縛り」を続けた方が
利益が最大化されると判断されたからであろう。

なぜか。

■まず、消費者が賢くない
ということが考えられる。

実際私は賢くなくて、かつては
@t.vodafone.ne.jp
というのがかっこいいというだけで
ずうっとボーダフォンにしていたし、
今も吉岡里帆が出ているというだけで、
ワイモバイルである、
アンティホークスなのに。

「端末料は実質ゼロ円です」
と言われると
「なんて思いやりのある会社なんだ!」
と感激してしまう。

そんな具合で携帯電話業者を決めるし、
二年縛りの月になっても忘れてしまったりする。

が、昔ならいざ知らず、
これだけ問題視されている現在、
私ほど愚かな人がそんなにたくさんいるだろうか

(もちろん業者の方が愚かで、
本当は撤廃した方が儲けられるのかもしれない。
が、上述の通り、それもやはり考えにくかろう)

(仮に、「最初の二年縛り」も含め、
すべての「二年縛り」を廃止すれば、
そのキヤリアから流出する可能性があるのは
利用者の100%であるのに対し、
他社から流入する可能性があるのは
他社の1/24である。
が、このご時世、わざわざ
「二年縛り」のあるキヤリアに移ろう、
と言う人がそれほどいるだろうか)

■また、新自由主義的に考えればこうなる。
「規制が悪い」
「許認可行政が悪い」

例えば許認可が緩くなれば、
どんどん新規参入業者が入り、
どんどんよくなる、という理屈である。
三社くらいではまだまだ寡占市場で、
自由市場とはいえないのだ、と。

私も新自由主義者・規制緩和論者なので、
こちらを支持したい。

では、果たしてどこに問題があるのか。

…まあ具体的にあげることはできないのだが。

携帯電話行政はとにかく膨大で、
すべてを完璧に把握している人は
いないんじゃないかと思うほどなのだ。
(また、規制にも意味があるわけで、
ここで安易にあげつらうのは避けたい)

謳っておいて
具体的な問題が挙げられないのは情けないし、
批判は甘んじて受けるが、
ここはやはり
「みんなで議論すべきだ」
と言っておきたい。

■また、新自由主義者としては、
過去、国有状態だった名残がある
という可能性も上げておこう。

「電電公社だった経緯で、
ドコモが(特に、設備面で)強すぎ、
自由市場とはいえないのだ」
ということになろうか。

確かに本来は民営化のときにもっと細かく分割して、
新規参入業者が容易に戦えるように
しなければならなかったのかもしれない。
(それを考えると
仮に二年縛りをなくしたとしても
まだハンディが大きいであろうに、
今から新規参入しようとする楽天は、
さすがNPBに入っただけのことはある)

が、携帯電話キヤリアには
KDDIも、ソフトバンクもあり、
実際かなり有力なライヴァルになっている。
ちなみにKDDIも電電公社系で、
ソフトバンクは国鉄の流れを汲むが、
いずれにしても決して競争市場でないわけではない。

「ドコモの設備が強すぎる」
のは、二年縛りとはあまり関係がない、
別の問題であろう。

と、結局はじめの問いに戻るわけである。

■さて、というわけで
具体的な結論は出せなかったのだが、
これは言っておきたい。

そりゃあ二年縛りはずるい。
私だって憎い。

しかし、一見自由市場に見えるところに、
あれだけ誰からの評判も悪い「二年縛り」が
ずうっと存在している、
ということは、それなりに理由があってのことである。

だいたい「二年縛り」だけをなくしたって、
携帯電話キヤリアは端末代とか、通信料とか、
別の方法でその金を回収するだけだ。
それもこれも規制して、
ついに利用者の金が安くなったとしても、
それは末端の、一番弱い誰かが苦しくなるに決まっている。

というわけで私は
いつも疑問提起しかできないのだが、
「なぜこういう不合理が起こるのか」
という根本的な原因について
みんなで考えるのがよいのではないか。

令和元年六月二十八日
明瀬祐介
acsusk@gmail.com

(以下、付け足り)

■もちろん、二年縛りには独禁法・契約法的な問題があり、
とにかくやめさせるべきである、
という指摘ならそれなりに理解できる

■あるいは「二年縛り」は、
ゲイム理論ふうに、
他のプレイヤーが、
「ある条件」なら
成立するものなのかもしれないが、
どういう条件なのかはよく分からない

-所感

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