アカセニッキ(明瀬祐介日記)

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所感

理科教育って理科好きの子供の興味と違うよな。

投稿日:2019年8月1日 更新日:

■多くの子どもは、
理科が好きである。

恐竜とか、
野生動物とか、
宇宙とか、
ロボットとか、
子どもにはたまらない。


■昔から思っていたのは、
「理科教育」が
どうもちょっとこれと違う

ということだ。

ぼくは子供のころ、
図鑑とか学習漫画とか
大好きでよく読んでいたのだが、
「理科の授業とこれとはまったく別物だ」
という意識があった。
(不満とかではなく、
そういうものだと思っていた)

大人向けの「科学」関係の
TV番組も少なくなく、
多くは野生動物とか、
宇宙探査機とかが出てくるのだが、
これらも、
「理科教育」にはあんまり出てこない。


■義務教育は
社会生活を送る上で
知っておくべき知識や
次の段階に進むための知識を
学ぶためのものだから、
興味がない児童にも
「水は一〇〇℃で沸騰する」
「太陽は東から昇る」
「電池のプラス極とマイナス極に導線をつなぐと
豆電球は光る」
ということは教える必要はある。
それは分かる。

が、以前批判した
「水酸化ナトリウム水溶液は
どの金属を溶かすか」
問題なんてのは、
社会生活を送る上でも特に必要ないし、
今思うと楽しくもなく、
どちらかと言えば
理科嫌いを増やしてはしまわないか。
(あの単元は人気あるけど)

「振り子」や「てこ」に関しては
有用性は間違いない。
自分は小学生の頃、
「距離と力の掛け算して一緒なら、
つりあいがとれること」
を知って軽い感動というか、
「ぴったりした感じ」を覚え、
うれしかった覚えはある。
(のちの、力のモーメントである)

が、普通の子供の興味とは、
やっぱり違っている。


■もっとも、
学問というのはそういうものだ

社会だって上杉謙信や新選組は
あまり教科書に出てこない。

子どもや (私も含め)人々が興味ある理科は、
結局「博物学」や「雑学」なのだ、
それは「学問の本筋」ではないのだ

とも言えよう。


■とはいえ、現状の理科教育には、
ちょっと「博物学的な部分」が
不足しすぎてはいないか

なんというか、
あたかも忌避しているようなきらいすらある。

「子供の興味のある博物学」と
「社会常識」と
「学問の本筋」は、
もちろん対立するものではない。
初等教育理科の最重要任務は
「社会常識」の普及だが、
「博物学」的な知識と
「社会常識」は重なる部分も多い。


■以前、「Twitter」で
「放射能でカエルの幼虫が巨大化した」
だと騒いだひとがいた。

https://www.j-cast.com/2014/07/07209797.html?p=all

それが「オオサンショウオ」であると
指摘されると、
そんなの見たことないから知るわけないよ。
センターは化学と物理だったし

と返している。

今思うと、釣りなのかもしれず、
そうだとしたら見事すぎるが、
結局、国民の博物学的な知識も
不足しており、
それがこういう結果を生んでいるのだ。

(釣りだとしても、
本当に誰でも知っている常識であれば
「センター試験受けてるのに
オオサンショウオ知らんわけない。
嘘乙」
となって成立しないわけで、
「あってもおかしくない」
と思われるくらいではあるということだ。
結局、科学知識の穴が
突かれているわけである)

まあそれを理科教育でカヴァーする、
というのは難しいのだが、
しかしやっぱり
「博物学的な部分」なしの
理科教育には、
ちょっと問題があるように思う。

令和元年八月一日
明瀬祐介(アカセ)
acsusk@gmail.com
https://twitter.com/acsusk/


(つけたり)
■例えば、
件の酸水溶液と金属溶解については、
イオン化傾向を学んだあとに
学ぶのであれば大いに意味がある。
でもその結果だけを教わっても仕方がない。

なんというか、
理科教育には、全体的にこういう、
「後のことが分かれば意味がある」

というのが多いのだ。

「もうっ、先に”後のこと”やろうよ」
と、いつも思うのだが。


(つけたりのつけたり)
■仮に、イオン化傾向を学んで
酸水溶液と金属の関係について学んだとして、
「じゃあそのイオン化傾向ってやつは
なんでこの順番なんすか?」
という疑問が当然出てこよう。
そう、イオン化傾向それ自体の暗記も意味はない。
しかしこれは
「実用的(工学的)に有用だから教える」
と、言うことができるレヴェルだ。
単純な金属と酸の反応の暗記では、
その実用的な意味すらない。

-所感

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