アカセニッキ(明瀬祐介日記)

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ベイスィックインカムは史上最大の学術・文化・スポーツ振興事業だ。

投稿日:2019年8月8日 更新日:

■私はベイスィックインカム(BI)の
導入論者だが、その理由の一つは、
ベイスィックインカムが、
学術・文化・スポーツ振興事業となる
からだ。

これは、
別にオリヂナルの物ではないのだが、
一応書いておきたい。


現状、
「研究者/芸術家/アスリートになりたいけど、
食えなくなるかもしれないからやめよう」
という人が、ベイスィックインカムの導入によって、
「食ってくことしかできないけど
研究/芸術/スポーツをやっていこう」

と、その時間の大部分を
研究/芸術/スポーツに打ち込む
それこそ、最大の学術・文化・スポーツ振興事業だ。

(これで、例えば
「大学院生に給与を!」
という主張も、
その何割かは実現することになる
)


■一方で、例えばBI導入と引き換えに、
現状の学術・文化・スポーツへの

公的な支援は、 大幅縮小を迫られるかもしれない

現状の文化・学術振興のかなりの部分を
要するに「補助金」が占めており、
その過程には無駄が多い。

申請書類の準備や作成のために
本来の活動とは
異なる作業をしなければならない。
「審査に通るための対策」
だって、必要だったりする。

審査側の行政だって同じことだ。
補助金そのものも、
その時間の担当者の人件費も
結局は税金だし、
その申請・審査の時間に、
研究者も芸術家もアスリートも
担当者も別の作業ができる。

(以上の議論は、
企業への助成金にも
かなりの部分同じことが言える)

(このような観点で、
ベイスィックインカム導入にともない、
直接社会保障にかかわらない分野でも、
減らせる財政支出がある)


■そして、
その審査にはどうしても恣意性が入って
不公平感が出る。

逆に審査が緩いと、
何かあったときに
「どうしてこんなものに
税金を入れたんだ」
と、話がややこしくなる。

「税金を使っているんだから
好き勝手にするな」
というのが、
全部正しいかどうかはともかく、
(私もこのような世の中は
あまり楽しくないとは思う)
しかしそれでも、
「税金を貰っていないから、
好き勝手にさせてくれ」
と堂々と言える方が、
まだしも望ましい。

学問研究やスポーツはともかく、
アートなんか、
「公金助成に頼って創って
いいのかよ」
という気もするし。


■その補助金が減少しても、
代わりに研究者・芸術家・アスリートの
「生活費」を国が払うことになるわけで、
決して本当に補助金がなくなるわけではない。

もちろん現状の補助金は
なにも給与に使われているわけではないが、
組織・団体レヴェルで考えても、
「人件費がなければ」という条件でなら
黒字化可能なものが増えるはずだ。

仮に補助・助成をする場合だって、
「フラスコのような消耗品なら
自分たちの収益で出すとして、
加速器はさすがに…」
「ボールまでなら
自分たちの懐から出せるけど、
スタディアムは…」
と、補助のレヴェルが上がるはずである。


■さて、ベイスィックインカムにかかわる
すべての議論がそうであるように、
以上の議論は、机上の空論だ。

実際にベイスィックインカムが
導入されたときに、
ミクロ主体がどう動き、
マクロ経済がどうなるのか。
導入直後はどうなり、
しばらくたてばどこに落ち着くのか。
人々の心理はどうなるのか、
といった部分が、
誰にも分からないからだ。

(たとえば
「お前BIもらってるんだから
社会の奴隷になれ」
という地獄ができる危険がある)

ただ、ベイスィックインカムが
これまで「生活費」という理由で
あきらめていた人たちを戻す、
学術・文化・スポーツ振興事業に
なることだけは間違いない。

問題はむしろ、
学術・文化・スポーツみたいなことだけに
人材が集中し、かつ他分野の自動化や高賃金化が進まず、
結局ベイスィックインカムも
破綻してしまうことだろう。

つまり、国家規模の
超巨大文化振興事業になってしまうことこそ、

心配すべきなんじゃないかな。

令和元年八月八日
明瀬祐介(アカセ)
acsusk@gmail.com
https://twitter.com/acsusk/

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