アカセニッキ(明瀬祐介日記)

少しだけ役に立つ、または面白い内容を提供できれば。

所感

教師も弁護士も医師も、試験と実習だけでなれるようにしては?

投稿日:2019年8月19日 更新日:

■現在の日本の制度では、基本的に、
小中学校教師になるためには
所定の大学に行く必要がある。
弁護士になるためには、
法科大学院に通う必要がある(*)。
医師になるためには、
医学部医学科に通うしかない。

が、下記に述べるように、
こういった制度は、
著しく非効率だ。
「特定の学校に通わなくても、
いきなり教員免状試験/
いきなり医師国家試験/
いきなり司法試験を受けられる」
そんな制度こそ望まれる。

例えば公認会計士も難関資格だが、別に
「専門の学校を卒業しなければなることができない」
という制度はない。
それと同様でよいのだ。

もちろん教師や、医師や、弁護士のたまごたちが、
学校で座学ばかりしているわけではない
だろう。
「実習」に当たる部分がある。
倫理や道徳も、
対面で教えた方がよい部分があるかもしれない。
それらは今まで通りスクーリングを
義務付ければよいが、
卒業が今までよりも格段に速くなる
はずだ。

(ちなみに法科大学院と医学科の時間割はこんな感じらしい
http://www.j.u-tokyo.ac.jp/students/wp-content/uploads/sites/5/2019/07/20190709S.pdf
http://ishin.kawai-juku.ac.jp/university/schedule/)


■これと同じようなことを、
「学校教育」全般については、
以前に書いたのだが、
今回は、こういった特定の
「職業教育」について。


■まず、この、
「試験+実習で資格が取れる」
制度は、
勉強が得意なので人よりも早く合格できる」
という人にとって良い
制度である。

将棋の藤井聡太は
棋士の養成機関である奨励会で
一番の成績を出したため、
十四歳で棋士になった。
もし将棋界が
「二x歳まで奨励会で授業を
受けなければ棋士になれない」
という制度であれば、
藤井聡太は今もまだ奨励会で
授業を受けていたはずだ。
現状の医師や法曹や教師はそれに近い。


■また、これは私のような
貧乏劣等生にもありがたい制度だ。

授業料や学費は高い。
どんな計算でも
「座学の授業料・人件費」は
「独学にかかる、書籍等の費用」
よりも高くなる

学校側にも公立があり、
私学助成があることを考えれば、
税の節約もできる


■社会にとっても悪くない。

時代の変化によって
医師も、教師も、法曹も、需給は変動する。
これまではなかったかもしれないが、
今後、これらの職業の需要の急減だって考えられ、
転職を迫られることもあるかもしれない。

「すでに職業に就いている期間」
は対価を受け取っているわけで
全くの無駄とは言えないが、
「職業訓練の期間」
は、学生は対価も受け取れず、
むしろ学費を支払っているわけで、
期間・費用ともに無駄になってしまう。
これは社会としても損だし、
その職業教育にかけた税も
結局は無駄になる。

(職業教育を受けたけど、
個人的な事情で別の職業に就く人に関しても
同じことが言える)

一方で、需要が急増することも考えられよう。
その際、一からの育成の時間を
可能な限りスピーディにすべきで、
「みんなで授業」
を受けている場合ではない。


■もしかすると、ここで、
「教員試験では/司法試験では/医師国家試験では、
教員に/法律家に/医師に必要な能力が測れない」
といった声があるかもしれない。
であればそれらはむしろ試験を可能な限り
必要な知識・技能が測れるものに
改善すべきだ。

たとえば、
「医者は抜群の知力が必要なので、
その選別のために、
現在の医学部入試のような制度が必要だ」
といった意見もあろう。
それが本当なのかどうか
私には判断できないが、
仮にそうだとしても、
別にその選別を大学入学試験でやることはなく、
医学部入試と同等の難しさの
国語なり数学や英語や理科の試験を
新しい「医師国家試験」で
問えばよいのではないか。


■…と、書いてきたが、
最初に司法試験に「(*)」をつけたように、
司法試験には学校に通わなくても
通れる「抜け穴」がある。
「司法試験予備試験」だ。

が、下記のブログにも書いてあるのと、
ほぼ同意見なのだが、
そりゃあ司法試験予備試験コースの方が
受験生にとって時間的にもコスト的にも得なのだから、
そうなるし、社会にとっても得である。
もしどうしても通学・対面が必要な部分があるのであれば、
それだけを単科で受けられるようにし、
必要ならば義務化すべきだが、
それにしても何年も学校に通う必要はない。
https://blogos.com/article/62746/

だいたい文部科学省は
法科大学院について
「多様な人材の確保」
を課題としているが、
独学でできる旧制度の方が
多様になるに決まっていたではないか。

http://www.soumu.go.jp/main_content/000156960.pdf


■なお、これらの試験を作るとすれば、
もちろん、
役人が今後の需給を予測し、
「必要な人数」「食えるだけの人数」
を送り込むように
調整するものであってはならない。
仮にその年の受験者全員に
充分な知識・技能があるのであれば
全員を合格させればよいし、
どの受験者も知識・技能を
満たしていないのであれば、
一人も合格させない、
そんな試験であるべきだ。

三浦瑠璃が下記に書いているように、
(実は私は三浦の意見には
賛同しないことが多いが)
資格取得者の品質自体は
国家が保証する必要があるが、
需給予測をし、供給数を管理するという発想ではなく、
神の手に委ねるべきだ。
https://www.huffingtonpost.jp/lully-miura/kakegakuen-free-education_b_16744840.html

例の「医学部女子受験生点数問題」の際に、
「何の調整も行わなければ女医だけになり、
患者側にも迷惑になる」
として、大学の点数調整を擁護する発言があったが、
例えそれが真実だとして、なぜそんな問題を
一私立大学の医学部が無断で調整するのが
許されるのか謎である。
もしそうだとしたら日本全体で
対処すべき問題でしょう。

…などと俺が書いても仕方ないのだが、
まあ誰か読んでいる方は
何か考えてください。

令和元年八月十九日
明瀬祐介(アカセ)
acsusk@gmail.com
https://twitter.com/acsusk/

-所感

執筆者:

関連記事

学校は部活だけやってくれればいい。

■前々回・前回と、「教育における、“縛りプレイ”で厳しい競争するのってまじで意味ねえよな」ということを長々と語ってきた。https://acsusk.com/20190710- …

一九六八年、現在の若者たちはどこにいたのか。

■「1968」(小熊英二)という、昭和四十三年前後に起こった大学紛争に関する本がある。https://www.shin-yo-sha.co.jp/mokuroku/books/978-4-7885-1 …

no image

スタンドアロンのネットワーク環境がほしい。

■現在の私はヴィデオゲイムをやらないのだが、大学生のときは少しやっていた。 さらに一〇年以上前の「グランディア」、「ドラゴンクエストV」、「サクラ大戦」。 当時のゲイムは発売から一〇年たっても二〇年た …

「懐かしい物についての新しいことを言えなくなった」問題。

■インターネットには、「もう誰も、懐かしいことについての新しいことを言えなくなった」という問題がある。 ■私が高校のとき、二〇〇〇(平成十二)年前後の「2ちゃんねる」では、いろんな「懐かしい物」につい …

no image

自分の中高を「インスタ」とすれば、大学は「2ch」だった。

■ぼくの中学高校が「東京に近い」「田舎の」「私立」「共学」「新設」「中高一貫校」だったため、異様にハイソサイエティ志向で、安全で快適で閉鎖的なリア充空間を作っていて、今考えるとすごく気持ち悪い場所だっ …