アカセニッキ(明瀬祐介日記)

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作戦 所感 身辺雑記

二〇〇七年のミルグラム作戦。

投稿日:

■ぼくの通っていた大学では、
春、入学式の前に三日間、
新入生の健康診断があり、
その健康診断から帰る新入生を目当てに
各クラブ・サークルが引き込みを狙う
新勧イヴェントがあった。

イヴェント運営側のスタッフは、
体育会系の各クラブから集められた
学生で、ぼくもその一員だった。


■勧誘をしてよいエリアというのは
決まっていたのだが、
大学のクラブ・サークルが
勧誘にかける熱というのはすさまじいもので、
そういったルールは破られてしまう。

運営側のスタッフは腕章か何かをつけて
たびたび注意をするのだが、
その目をぬすんでエリア外で勧誘する人が、
一日目は、後を絶たなかった。


■そこで、そのイヴェントのリーダーだった、
ぼくの友人は一計を案じた。

「白衣を着てみたらどうだろう。」

理系の学生スタッフから実験用の白衣を集め、
スタッフはそれを着て警備を行うのだ。

もともとは健康診断の裏で行われているものだ。


■二日目。
効果は抜群。

あれだけ熱心に勧誘し、
エリア外に出てきていたクラブやサークルの人たちが、
白衣を着た人員からの注意には従い、
混乱なく勧められたのだ。
もちろん無意識のうちに注意している人を
医師か看護師か、健康診断のオフィサーだと思って
波風を立てないという本能が働いたのだろう。
ぼくたちはただ白衣を着ていただけで
自分たちが健康診断のスタッフだとも何者だとも、
言っていないのだが。

ぼくは、その白衣を着た人が
医師でも看護師でも何でもない、
ただの体育会系学生で、
白衣も健康診断とは何の関係もない、
理系学生の実験用の物だということを
知っていたので、
内心、笑いが抑えられなかった。


■こういう「ミルグラム実験」のようなことが、
自分の周りに本当にあった。

ぼくはこういう、
「戦略」ではない、
細かくて意表をつくような「作戦」を
思いつく人が大好きだ。

令和元年九月二十九日
アカセ(明瀬祐介)
acsusk@gmail.com
https://twitter.com/acsusk

-作戦, 所感, 身辺雑記

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