アカセニッキ(明瀬祐介日記)

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所感

日本には失業が足りない。

投稿日:2020年3月27日 更新日:

■今から書くこの話は、
読む人が読めば、
「何をいまさら、
当たり前のことを
偉そうに語っているのだこいつは」
としか思われない
話で、
まことに恐縮である。

が、今なお、世間では
例えば下のような意見の方が
幅を利かせているので、
書かざるを得ないのだ。

曰く、
「企業はできる限り
従業員の雇用を守るべきだ」
曰く、
「最低賃金を上げろ」
曰く、
「非正規雇用を正規雇用にすべきだ」-

違う。

日本の低迷は、日本人の貧しさは、
「雇用を守る」
ということを
前提にし続けてしまったからこそ起きている

「仕事がなくても生活できる社会」を
作った上で、
「会社が従業員を馘首し、
あるいは廃業する社会」
を目指していけば、
日本人はもっと豊かになれたはずだし、
今からでも豊かになれる。


■さて-。

働く人ならば誰でも、
「あいつ、他の職場・仕事の方が
向いてるんじゃね?」
という人を一人くらい知っているはずだ。
実際、そういう人はおそらく転職したほうが
当人も現在の同僚たちも幸せになれる。
当人だって転職したくないわけではない。
「転職する際に
一時的に収入が減る可能性が高い。
少し減るくらいならまだしも、
生活費すら賄えなくなる危険もある

という部分がバリアーになっているのだ。

あなたはどうだろうか。
「天職」と言うのは難しいかもしれないが、
「もし半年くらい自分探しをしていいなら、
もう少しよい仕事・職場が見つかるだろうな」
くらいのところにいないだろうか。

職場・仕事と人のミスマッチングは
どんなに努力しても起こりうるし、
それを解決するには転職しかない

しかし、現状では
転職は結構なリスクを伴うものだ。

(なぜ、転職のリスクが大きいのか、
というと、
受け入れる会社の側が、
既存の従業員を容易には解雇できないし、
将来、採用した人が
やっぱりミスマッチングだったとしても、
容易には解雇できないからだ)


■一方、会社の側も、まあ情もあるし、
解雇規制があるのもあって、
容易には正規雇用の従業員を馘首できない。
なぜ解雇したくないのか、
解雇規制があるのかというと
結局のところ、従業員の中に、
「仕事がなければ食べていけなくなる」
者も多くいるから、ということになる。

解雇規制には
「失業させないことで、
国民の生活を保障する」
社会保障の側面がある。

会社を廃業したくない、させたくないのも、
連鎖倒産が起きる、
株が紙切れになってしまう、
という理由もあるが、
中でも大きいのは
「従業員が失業する」
ためだ。

これらがあるため、
現在の社会は、
従業員が一度正規雇用された企業から離れず、
縮小・廃業すべき企業が縮小・廃業せず、
結果として、
「社会全体での適材適所」
から著しく離れたところにいる


「生活保障の大部分を
“(主に企業での)雇用・労働”
に頼っている」
「だから、解雇や廃業が忌避される」
「その結果、
日本社会全体の人的資源が
最適に配分されない」
-。

これらはいつでも問題だが、特に
「成長産業・衰退産業の構造と、
国全体の産業構造が
大きくかけ離れている」
ときに大きくなる

なぜ平成年間、日本経済が低迷を続けたのか。
それは中国の工業化と、世界的なIT化で、
産業構造が変わる中、
日本では1980年代までの工業社会が続き、
新しい産業がそれほど育たなかったから
だ。
そしてなぜ新しい産業が育たなかったのか、
理由はいろいろあるが、
煎じ詰めると、社会全体が、
失業したり、させたりすることを恐れた
から、
ということにつきよう。

産業構造の大変化は実際に起きたし、
今後も起こるが、
「全く解雇も廃業も縮小もなく、
既存の会社の業態転換や、

従業員の配置転換だけで
産業構造の変化に充分対応できる」
ということの方が難しい

だから、本来ならばこのような
「既存の会社の雇用が縮小することを
阻止しない、または促進する」
ような改革は、
1990年代の後半にこそ行なうべきだった。


■そしてこの負の部分は、一部の人が、
ほとんど不当な形で押し付けられている。
(最終的には社会全体を貧しくしたけれど)

まず正規雇用にならなかった人々。
上記のような
「解雇されない」恩恵は
正社員だけの物だったから、
正社員になれなかった場合は受けられない。

(ここでもちろん
「彼らも正社員にして生活させるべきだ」
という考えもあるし、
実際そういう施策も行われたが、
それには重大なデメリットがある。
分からない方は
もう一度この文章を上から読んでほしい)

長時間労働や、過重労働の問題だって、
「失業を恐れる必要がない」
社会であれば、大幅に減らせたはずだ。

一部の世代は
「氷河期世代」となった。
現在の少子化にはいろいろな要因があるが、
「子供を作りたくても作れない」
世代がまるまる発生したのは何よりも大きく、
これがなければ実際ほどには急落しなかっただろう。
これによって日本は今後百年という単位で
呪われてしまう。


■結論は繰り返しになる。

現在の日本の低迷も、
日本人の苦しみも、
多くは

「仕事がなければ生きられない」
という前提と、

「だから、人々が仕事を持てるように
守るべきだ」
という善意に起因している。

ではどうすればいいのか。
簡単だ。

今後段階的に、
例え仕事がなくても
誰もが生きていける環境を作った上で、
「会社がどんどん従業員をクビにし、
あるいは廃業・倒産していく社会」
を目指せばいい

そうすれば日本人は、
今からでももっと豊かになれる。

令和二(2020)年三月二十七日
明瀬祐介
acsusk@gmail.com
https://twitter.com/acsusk/

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