アカセニッキ(明瀬祐介日記)

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映画「魔界転生」(深作版)をはじめて観る。

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■映画「魔界転生」(昭和五十六年版)(DVD)を
観たので内容の一部と感想を書く。

監督は深作欣二。
原作は山田風太郎の小説だが私は未読。


■島原の乱終結後、
乱の首魁だった天草四郎(沢田研二)は
再び命を得る。
神への信仰を捨て、
復活の魔術を使い、幕府への復讐を狙う。

夫からの愛を失った後に殺された
細川ガラシャ(佳那晃子)、
柳生一族との雌雄を決せられぬまま老いた
宮本武蔵(緒形拳)、
女性への思いを捨てて修業に勤しんできた
宝蔵院胤舜(室田日出男)、
そして村を滅ぼされた忍びの若者・
霧丸(真田広之)を転生させる天草。

そんな彼らを倒そうと柳生十兵衛(千葉真一)も
動き出す。

胤舜は倒したものの、
ガラシャは美貌を武器に
将軍徳川家綱を取り込み、
さらに十兵衛の父・
柳生但馬守(若山富三郎)も
四郎一味に加わる。
百姓を操り、
大乱を起こす四郎。
そんな中、霧丸は可憐な百姓の娘に
恋心を抱く。

そして、十兵衛は
村正(丹波哲郎)の最後の妖刀を手に、
武蔵、但馬守、四郎との
決戦に挑んでいくのだった-。


■この映画はもちろん大ヒット映画だが、
もちろん見た人よりも見ていない人の方が多いので、
「天草四郎が宮本武蔵を生き返らせて
柳生十兵衛と戦う」
という「設定だけ有名」なところがある。
私もその設定だけ知っていて、
実は最後どうなるのかなど
知らなかったのだが、
さて-。


■思った以上に面白い映画である。

冒頭の怪しげで恐ろしい雰囲気で
一気に引き込まれる。

リズミカルで思わず真似したくなる
大仰な台詞回し。

そして、五分に一度は殺陣かアクションがあり、
まったく飽きない。

特撮・SFXが多用されるが、
古い映画だから
さすがに技術的に未発達だろう、
…と思いきや、
「ちゃちい」「しょぼい」
とは全く感じなかった。
「粗をうまく隠せている」
ということなのだろう。

最後の炎上する城の中での決戦場面は
本当に炎の中での撮影とのこと。
宮本武蔵と十兵衛との対決は
巌流島を想起させる海岸なのだが、
他の、「純時代劇映画」の
一場面のような趣がある。
どう考えても無茶苦茶な映画なのに
徹底的に、過剰なほどに
真剣なのだ。

怪しく、気持ち悪く、大袈裟で、
恐ろしく、卑猥で、恰好よく、凄い。

「…真面目に考えると
こんなん作るやつ頭おかしいだろ」
と心底思える、稀有な作品だと思う。

令和二年四月十八日
明瀬祐介
acsusk@gmail.com
https://twitter.com/acsusk/


(■以下、つけたり)

・「剣豪オールスターゲイム」
たるこの映画の最大の要は、
いろいろ細かい点ではなく、
「誰をメムバーに入れるか」
だろう。
原作には
荒木又右エ門や徳川頼宣もいるとのこと
らしい。
私は未読だが、
「それならあの人も…」
という妄想は膨らむ。

結果として、
天草、ガラシャ、武蔵、胤舜、但馬、
それに若者キヤラクター一人、
というメムバーは、
観る人それぞれからいろいろ要望はあろうが、
まあ悪くないところなのではないか。

・特に(原作にはいないらしい)
ガラシャを入れたのは
スーパーファインプレイで、
この映画を一気に
妖艶で官能的なものにしている。

・ 緒形拳はどうしても
「味」「深み」のような物を
感じさせてしまって
かえってこの大味な映画の武蔵として
最適だとは思わない。

・「武蔵か但馬守かどっちかは
錦之助で観たかった…」
と少し思わないでもないが、錦之助だと
やはりかなり「バランス」が悪くなる。

・有名な真田広之と沢田研二の接吻場面は
まあ当時の観客(主に女性)は
吐息を漏らすだろうな、と。

・私の好きな丹波、
いつもいいところを持っていく。
この刀鍛冶のキヤラクターは遥か後に
「Kill Bill」で千葉真一が演じる役となる。

・若山富三郎の殺陣は凄いという評判だが
素人目にはみんなすごいのでよく分からん。

・天草四郎を倒したところで突然終わるが、
もう少し場面があってもよかったかもしれない。

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