カメラを止めてよ!(ステージ動画撮影、センター固定で全体映せ)
- 先日、あるステージを見に行った。
出ているのは全員アマチュアだ。まあ発表会のようなものだと思ってほしい。
出演者サイドに頼まれたのであろう、座席の中央に一段高いブースが設けられ、そこで映像を撮影している人がいる。
後日、主催者によって、そのステージの動画が配られたので、視てみた。
全員集合のステージ。カメラが演者の表情をズームアップ。なめるように、右から左へ移動していく。
やめて。
カメラは動かさないで。
日本中、いや全世界の、こういうステージの動画を撮影する者に告ぐ―。
カメラは〈引き〉で焦点はセンターに固定。ステージ全体が映るようにして、絶対にそこから動かさないで。
ズームアップにしないで。
- 多くの人は、カメラをズームアップにして、各所を映してしまう。もしかしたらTVや映画が念頭にあるのかもしれない。
確かにTVのスポーツ撮影では、選手の表情が様々な角度からズームアップされている。
それができるのはカメラがたくさんあるからだ。
私もよく知らないが、カメラ室のようなところでディレクターのような人が、多数のカメラで一番良い画像を瞬時に判断しているのだろう。
ライヴ中継でなければ、事後に編集しているのかもしれない。
そんなプロフェッショナル集団の撮影でも、一番見たい場面が良い映像で映っていない、ということはよくある。
ライヴ映像であるから仕方ない。
- さらに商業イヴェントや公演の撮影なら、
「ここで次に○○がソロをする」
「次に××が登場」
というような説明を受け、あるいは台本を受け取っているはずだ。
そのステージを初めて見る、何の事前説明も受けていないような人間が、ひとつのカメラをその場の判断で、“テキトーに”動かして、どうして良い映像が取れると思うのだ。
- その結果、失われるのは、その映像を見たい人が本当に見たい場面、その演者が本当に見せたい場面だ(こういう映像の撮り手は、なぜか決まって見せ場に限ってサイドを映す)。
- これからも、いろんな場所で、無数のステージ撮影が行われるだろう。
小学校の学芸会から、青春のハイライト。大人の練習の成果。
これを読んだ人はぜひ心に刻んでおいてほしい。
絶対カメラ動かすな。
センター固定で、ステージ全体が映るように撮れ。
- ※前述のとおり、複数の撮影者がいる場合はこの限りではない。しかし、少なくとも一台はセンター固定で全体を映すべきだし、実際プロフェッショナルも、(ちゃんとしたところなら)そうしているはずだ。
2024年04月26日公開
2024年04月27日更新